笹山登生のウォッチ&アナライズ –


2009年12月22日

解せない野中氏の「団体推薦候補の擁立見送り」論

Category: 未分類 – Tatsuo Sasayama 6:01 PM

全国土地改良事業団体連合会の会長を務める野中広務元自民党幹事長は21日、政府、与党の土地改良事業費半減方針をめぐり、予算の復活を民主党に陳情するとともに、来夏の参院選に向けて自民党からの団体推薦候補の擁立見送りも検討する考えを示した。(参考記事)
というのだが、ここは、政党のおもちゃにされている南部明弘さんの方が、むしろ、かわいそうだ。

むしろ、ここは、順序が逆で、もし、野中さんがその意図であるならば、物事の順序としては、まず、全土連が、今後一切、参議院選挙を含む国政選挙にかかわるのをやめる決議をして、政治連盟(全国土地改良政治連盟)の解散をし、その後、野中さん自体が、政党色・政治色(過去古色ではあるが)をなくすという意味で、責任を取られて、全土連の会長を辞されれば、あとは、南部さんの問題は、はしごがなくても出るのか、はしごがなくなったから、出ないのか、という南部さんの個人的な問題にすぎなくなるのだが。

この際、山田俊男さんには、悪いが、土地改良政治連盟だけでなく、JAの農政連(全国農業者農政運動組織連盟)も、解体しといたほうがいい。

換票回路として、農業・農民を利用しようとする母体は、新政権に媚の対象を挿げ替えるのではなく、この際、解体してしまったほうが、農家農民のためだ。

昨日の一件は、なんとなく、野中さんの個人プレーのような感じがしてならないのだが。

つまり、組織決定もしないで、このような方針を示され、しかも、政権政党への恭順的陳情外交を先にされてしまうと、全国の末端土地改良区自体が、それこそ、政党間の「売られた花嫁」的な存在になってしまうことを、野中さん自体が知るべきである。

私も、以前、土地改良区の理事長をしていた感じからいうと、全国の土地改良区の理事役員には、それこそ、共産党も公明党も自民党も民主党も旧社会党も旧右派も旧左派もいるわけで、それが、参議院選挙の時にまとまるのは、組織決定するからだけの話なんで、そこのところを野中さんが取り違えると、ちょっとおかしなことになってしまうのだが。

実際、私のような自民党を離党した者が土地改良区の理事長を務めていたときでも、自民党政権時代、なに支障なく、国営灌漑排水事業の予算は、しっかり新規採択され、しっかり、その後の予算もいただいていたのだから、政権が変わったからといって、そんなに、慌てふためく必要はないはずなのだ。