笹山登生のウォッチ&アナライズ –


2010年2月9日

メモ-FTAと国内農業との利害対立回避スキーム

Category: 未分類 – Tatsuo Sasayama – 2:38 PM

Twitterの効用というか、あたらな出会いで、新しい政策スキームの模索の糸口がつかめそうな感じになっている。

このTwitter「FTA_EPA」さんは、FTAについての情報提供を、Twitter上で展開されている。

そこで、FTAと国内農業との利害対立回避スキームは、確立できないのか、ということについてなのだが。

FTA_EPAさんによれば、海外間のFTAを活用してサプライチェーンを再構築すると、コストが下がる解を見つけることができるという。

サプライチェーンはリードタイムの短縮、トータルコストの削減、在庫の削減などにつながる。

サプライチェーンでFTAを考えると、原材料・部材をどの国から買ってくるか、どこでアセンブリをするか、どの市場に販売するかで関税は大きな役割を果たすことになる。

非原産品の取り扱いでは、FTAの相手国は原産品として扱われる。

例えば日本=マレーシアのFTAなら、マレーシア産の材料は日本産と同等に扱う。

付加価値基準によれば、商品の価額(FOB)に対して、輸入品(非原産)の部材費を引いた金額の割合が一定のパーセント以上であれば原産品であることを認める。

関税番号変更基準によれば、原材料・部材のHSコード(輸入品のみでよい)と完成品のHSコードを比較し、協定で規定される桁数部分でコードが変わっていたら原産であることを認める。

この基準をうまく使うと、FTA域内における関税低減化によるサプライ・チェーンの構築を図ることができる。

これらのことから言えることは、
①サプライチェーンの再構築をFTAで図ることができる。
②HS関税番号の付け替えで、『輸入が実質輸出に』なることができる。
ということで、
内需的外需、外需的内需の振興とも言うべき概念が出現できることになる。

すなわち、FTA域内内需、FTA域外外需とも言うべき概念が出現しうるということだ。

以上は、工業品についてのスキームが主になると思われるが、同様にスキームが農業品目についても、可能なように思われる。

つまり、『農業→食品工業』のチェーンを構築する上で、FTAによるサプライチェーンの構築が図れないものだろうか、ということである。

このスキームにおいては、食品において、「国産だから安全」「中国産だから危険」というような偏見は、通用しないことになりうる。

また、この場合のFTAの相手方は、必ずしも先進国でないほうがうまくいくような気がする。

コロンブスの卵的な発想で、FTAと国内農業との利害対立スキームの解消ができればよいのだが。

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