ピッツバーグでのG20には、WTOのラミー事務局長も出席して、各国首脳に対して、ドーハラウンドの決着期限(デッドライン)を設けるように要請する予定だが、これに対してアメリカが抵抗しているようだ。
これに対して、EUとブラジルとオーストラリアは、モダリティによって、正式な決着期限を設けることを要請している。
アメリカがここにきて、抵抗している理由は、ひとえに、アメリカ国内議会の事情によるようだ。
すなわち、2010年内にというようなぼんやりとした期限設定でないと、議会が収まらないということのようだ。
特に、アメリカ国内の農産物輸出関連業界では、年内急に、農産物価格支持がカットされたり関税がカットされる事態を恐れているという。
このことは、保険会社や運送会社などのサービス関連業界も、同様だという。
インドは、ドーハラウンドの締切期限をモダリティに織り込むことには賛成のようであるが、それは、主要国が、柔軟な姿勢を示すことにかかっているという。
USTRでは、米国が柔軟な姿勢に転じるためには、主要国との直接二国間交渉が鍵を握っているといっている。