笹山登生のウォッチ&アナライズ –


2010年4月21日

今回宮崎県で発見の口蹄疫ウイルスの感染ルートは?

Category: 未分類 – Tatsuo Sasayama 2:03 PM

口蹄疫ウイルスには7つのセロ・タイプと60以上のサブ・タイプがあります。

7つのセロタイプは、
①A, ②O, ③C, ④アジア1,⑤ー⑦南アフリカ地域 (SAT) 1, 2 、3
です。

A型からO型へのシフトがあった中国・韓国の口蹄疫ウイルス

近時流行の韓国の口蹄疫は、最初の京畿道の抱川(포천시)(乳牛)や漣川地域では「A」型(A형)でしたが、江華島(강화도)(牛・豚)、(仁川・江華郡・西源面)では「O」型(O형)でした。

なお、現在の韓国での口蹄疫事情ですが、4月8日から10日にかけて、江華島で発生の後、20日には、京畿道・金浦市(김포시)月串面に達し、さらに忠清南道・保寧市(보령시)靑蘿面、忠清南道(충청남도)・青陽郡(청양군)まで南下、拡大している模様です。新たに忠州(충주특별시)忠清南道・扶余郡(부여군)でも感染が確認されました。
忠州で発生した口蹄疫ウィルスの血清型は、江華、金浦とおなじO型とされています。
参考「韓国における口蹄疫の発生状況地図(2010年1月~)」

なお、韓国での口蹄疫関連ニュースは、動画はこちら、ニュース記事はこちらをクリック

1月に中国の新彊ウイグル地区で発生の口蹄疫(牛)は、A型でした。

その後遼寧、河北、山東、河南、広東、広西などに拡大しています。

3月中旬になって、中国の甘肅省の蘭州や臨夏の回族自治州や天水一帯で発生した口蹄疫(豚と羊)は、O型でした。(中国での口蹄疫関連ニュースは、動画はこちら、ニュース記事はこちらをクリック)

このように、口蹄疫の血清型を見てみますと、中国も韓国も、ある時期からそれまでのA型からO型にシフトしています。

中国は、A型は1月22日の北京大興区での発生を最後にして、2月28日の広東省から、それまでのA型からO型へ、韓国は、A型は、1月30日の抱川市での6例目を最後にして、3月23日に解決宣言をしましたが、4月8日から、仁川、江華島などで、O型の発生を見ました。

そのほか、モンゴルでは1月29日に、また、台湾では、2月13日に、O型が発生しています。

宮崎の場合、初発がいつかが、まだ明らかにされていませんが、初発が3月か4月かによって、推定されるその感染ルートも変わってくるものと思われます。

つまり、アジアの口蹄疫ウイルスの血清型のA型からO型へのシフト時期からすれば、宮崎での口蹄疫の初発を3月と見た場合は、中国、モンゴル、台湾、4月と見た場合は、韓国ということが、ごく大雑把にはいえそうです。

現時点で推測されている韓国の口蹄疫の感染ルート

これら一連の中国・韓国などでの口蹄疫感染拡大について、次のような推測がされているようです。

すなわち、韓国・抱川で今年1月発生の今年第一回目の口蹄疫ウイルス(A型)の原因と推測されているのが、昨年10月中国やモンゴルから移住してきた外国人労働者原因説であり、彼ら宛てに、本国から、昨年11月に送られてきた作業衣や靴などがウイルスに汚染されていたのではないかとする説です。

そして韓国内口蹄疫緊急対策会議を通じてウイルスが伝播されたのではないのか、としています。(関係図は、韓国語ですがこちらをご参照)

さらに、韓国の江華島で4月に発生した今年第二回目口蹄疫ウイルス(O型)は、一農場主が、3月8日から13日にかけて中国への旅行を終えて後、消毒衣なしに、農場に入ってからの感染と推測されています。

江華島株は中国株と相同性99.06であり、その後、飼料搬入や獣医師、人工授精師の往来、地方での口蹄疫対策会議などを通じ金浦、忠州、青陽へ拡大していったのではないかとする説です。
参照「Veterinary farm visits to blame for spreading FMD in Korea」

なお、韓国語サイトですが、このサイト「2010년 구제역 전파경로 역학조사 해보니」で、詳細な韓国での感染ルートの分析がされています。

以上を前提とすれば、推測できる韓国口蹄疫ウイルス感染ルートは、今年1月の第一回目(A 型)と、今年4月の第二回目(O型)とでは、中国からの感染ルートが異なる。ということ。そして、そのことから、宮崎への感染ルートを類推すれば、初発3月ならば、中国・モンゴル・台湾などからの直接ルート、初発4月ならば、韓国経由の間接ルート、ということになりそうで、いずれも、元は、中国あたりといえそうです。

なお、2000年春に宮崎で発生の口蹄疫ウイルス(O/JPN/2000)はO型でした。

A型は牛に感染、O型は牛にも豚にも感染というのがこれまでの例のようです。

可能性のある感染ルート

有力視される感染ルートとしては家畜、人、車両、輸入飼料、風・黄砂、畜産物等ですが、このほか、中国製や韓国製の輸入稲わらも考えられます。

また、口蹄疫WindBorne説というのもあるようです。参照「POTENTIAL FOR WIND-BORNE SPREAD OF FOOT-ANDMOUTH DISEASE VIRUS IN AUSTRALIA」

ただ、イギリスでの調査「New Directions: Airborne Transmission of Foot-and-Mouth Disease Virus」などによりますと、口蹄疫の空気感染についてはウイルスの風下濃度(the downwind concentrations)はそのときの気象条件に多分に依存しているとしています。

なお、 口蹄疫ウイルスは、乾燥糞便で2週間、スラリー状の糞便で6ヶ月、尿では1週間、生存可能のようですが、これは、気象条件、phの程度(pH5~6程度で死滅)、土壌の状態、などによって、異なるようです。
(なお、スラリー状糞便中のウイルスの残存期間については、諸説あり、たとえばBartley LM等の研究では100日としています。参照「Review of foot-and-mouth disease virus survival in animal excretions and on fomites」(Bartley LM, Donnelly CA, Anderson RM.2002)
「CIDRAP-Foot-and-Mouth Disease」)
その意味では、、空気感染というよりは、乾燥した糞便が風で舞い上がるほうが問題のようです。
参考「FOOT AND MOUTH DISEASE」

中国・韓国から宮崎への感染ルートはあるのか?

これはまったくの想定ですが、今回の宮崎の口蹄疫ウイルス・ルートを、中国-韓国ルートと疑っていますがどんなものでしょう。

韓国については平成22年1月18日付けで家畜伝染病予防法施行規則の一部が改正され、韓国からの穀物のわら(稲わら等)及び飼料用の乾草は輸入が禁止されているはずです。

また、園芸用稲わらや中国製の畳床の現地での飼料用への転換という可能性も否定できません。

それとも、このところ日本列島を吹き荒れていた黄砂が原因でしょうか。それにしては、発生が局地的のようにも見えますが。

宮崎FMDVと中国・韓国FMDVとの相同性

FMDVとは、口蹄疫ウイルス(Foot-and-Mouth Disease Virus )の略です。

農林水産省は4月23日、最初に見つかった牛から、韓国で今月発生した口蹄疫と同じタイプのO型ウイルスが確認されたと明らかにしました。

また、宮崎の口蹄疫ウイルス(JPN10-AA)と香港の口蹄疫ウイルス(ウイルス名O/HKN/7/2010. O/HKN/8/2010 .O/HKN/13/2010 .O/HKN/14/2010. O/HKN/15/2010 )とウイルスの遺伝子の相同性99.22%であり、韓国の江華島株 (O/Ganghwa/KOR/2010)との相同性98.59%であり、ミャンマーの基準株(O/MYA/7/98)との相同性92.96%であるとしました。

遺伝子配列における「vp1」領域の配列がほぼ一致しているとのことです。

なお、このミャンマーの基準株(O/MYA/7/98)は、1998年発見のものであり、最近発見のO/MYA/5/2009/との相同性については触れていません。

ただ、O/MYA/5/2009/とO/Ganghwa/KOR/2010との相同性は98.59%となっています。
参考「FOOT & MOUTH DISEASE – JAPAN (04): (Miyazaki) SEROTYPE O, GENE」
「OOT AND MOUTH DISEASE – SOUTH KOREA: UPDATE, SEROTYPE O, GENOTYPING」
「FMDV serotype O, Topotype SEA, Genotype Mya-98 closely related to China and South Korea」
「ME-Report2010」
「FAO World Reference Laboratory for Foot-and-Mouth Disease (WRLFMD) Genotyping Report Date: 5 May 2010」

なお、基準株“O/MYA/7/98 (DQ164925)の系統樹などについてはこちらまたはこちらまたはこちら)をご参照ください。

口蹄疫ウイルスの血清型O型には、10から11のサブタイプがあります。

また、系統樹(genetic lineages)のトポタイプとしては、次のものがあります。

①EuropeSouth America (Euro-SA), ②Middle EastSouth Asia (ME-SA), ③South-East Asia (SEA), ④Cathay (China and east Tartary), ⑤West Africa (WA), ⑥East Africa (EA), ⑦Indonesia-1 (ISA-1) ⑧Indonesia-2 (ISA-2)

今回の宮崎株は、ミャンマーの基準株(O/MYA/7/98)との相同性が高いとのことですので、それからいいますと、③South-East Asia (SEA)系統といえそうですがどんなものでしょう。

なお、公開はされていませんが、韓国・江華島株と中国株と相同性99.06とのことです。

韓国でA型口蹄疫が報告されたのが1月31日の6例目まで。その後2月に入って台湾でO型、中国ではそれまでA型だったのが2月22日-28日に初めてO型が広東省で発見。韓国では3月23日にいったんA型の終息宣言がだされた後、4月8日に仁川・江華島でO型が出たという時系列 となっています。

香港の口蹄疫ウイルス“O/MYA/7/98 (DQ164925)“については、「FAO World Reference Laboratory for Foot-and-Mouth Disease (WRLFMD) 」
または
「Outline of ProMED-mail posts」ご参照

本来は多様にある口蹄疫ウイルスのコントロール方法

なお、ここにきて、殺処分の遅れから、それによる更なるウイルスの拡大が懸念され始めています。

2001年のイギリスでの口蹄疫発生の時も同じ問題があったとして、「牛などの大型の家畜を専門とする獣医師の不足が、日英共通の口蹄疫対策の世界的ネックである。」と指摘する向きもあるようです。

ここで、特記すべきは、アメリカ・カリフォルニア州での対応です。

カリフォルニアでは、殺処分の遅れによる更なるウイルスの拡大を避けるために、”vaccinate-to-live”と”vaccinate-to-kill”を使いわけているようです。

すなわち、コントロール手段を①ワクチン接種せず(no-vaccination) ②ワクチン接種後、殺処分せず(vaccinate-to-live) ③ワクチン接種後、殺処分(vaccinate-to-kill)(Suppressive vaccination-抑制ワクチン-ともいいます。) の三つにわけ、このうちの③を、殺処分の遅れによるウイルスの拡大を防ぐためのつなぎ措置としているようです。
“vaccinate-to-kill”政策については、下記のサイトをご参照ください。
「Model Could Aid Emergency Response Planning for Foot-and-Mouth Disease Outbreaks」
「Model could aid emergency response planning for foot-and-mouth disease outbreaks」
「Vaccination against foot-and-mouth disease: the implications for Canada」
「Control Area Activities」

なお、ワクチン接種しても殺処分しない場合(vaccinate-to-live)については、OIEコード(The OIE Terrestrial Animal Health Code)17版ChapterArticle 2.2.10.8. (Recovery of free status 2 (a)(b))において、ワクチン接種後にAppendix 3.8.7にもとづくNSP ELISA試験をしたことを前提にして、①殺処分と、緊急ワクチン接種を併用した場合には、6ヶ月後②殺処分をせず、緊急ワクチン接種をした場合には、12ヶ月後に清浄国復帰が認められています。
参考「C HA P T E R 2 . 2 . 1 0 . F OOT AN D MOUT H D I S E A S E」
「OIE 口蹄疫(改正提案)」

EUにおいても同様の措置がとられており、これについては、指令COUNCIL DIRECTIVE 2003-85-EC(2003年9月発令)で定められています。
参考「Protective Emergency Vaccination for Foot-and-Mouth Disease」

ワクチネーションを利用して、感染地の間に、バッファーゾーン(quarantine zone または controll zone ともいいます。)を作るコントロール手段もあります。

この図は、アフリカでの牛肺疫 (CBPP)のバッファーゾーン構築の例ですが、地図の分布が、宮崎の「川南-えびの市」の位置関係に似ているので、あえて掲げておきます。
参考「EMPRES CONCEPT PAPER ON THE THE EMERGENCY CONTROL OF CONTAGIOUS BOVINE PLEUROPNEUMONIA (CBPP) IN SOUTHERN AND EASTERN AFRICA」

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なお、封じ込め地区(Containment zone)のなかに入れ子でコンパートメントを設けることをOIEコードに導入することについては、2009年3月のOIEコード委員会から検討に入り、今年5月にチャプター8.5.5のコード改正案としてOIEに上程されることになっています。

しかし、日本政府は、これに対して反対しており、今年2月には次のような反対意見をOIEに提出しています。

「口蹄疫ウイルスに対する効果的なバイオセキュリティ管理システムについての具体的なチェックリストが策定されない限り、第8.5章に口蹄疫清浄コンパートメントの概念を入れるべきではない。なぜならば、口蹄疫はとりわけ空気感染によって拡がること、及び牛や豚は普通野外やオープンスペースで飼養されているからである。」
参考「口蹄疫のコンパートメントに関する条件の追加」

OIEでは、メンバー国からの意見を元に、今年2月に次のような修正を行っています。
「コンパートメントが最初に認められるのは、FMDがコントロールされているゾーンであり、また、獣医師が認めたものであること、そして、プロテクションゾーンは、Article 8.5.5.bis 条項とは関係ないものであることであること」
参考「REPORT OF THE MEETING OF THE OIE TERRESTRIAL ANIMAL HEALTH STANDARDS COMMISSION」
「TERRESTRIAL ANIMAL HEALTH STANDARDS COMMISSION FEBRUARY 2010 REPORT」

コンパートメント条項についてのOIEコード逐条修正対比表はこちらご参照

(追記-今回、宮崎の種牛5頭について特例措置を講じた理由付けとして、5頭の種牛を下位個体群(sub-population)ととらえ、この種牛の特例措置をコンパートメント管理の先駆的事例にとの考え方もあるが、その論理が認められるためには、種牛の畜舎のバイオ・セキュリティ・マネジメント・コントロールが完全であるかどうかにかかっています。
種牛管理のバイオセキュリティプランが必須条件となります。
また、OIEではsub-populationの定義がChapters 4.3 と 4.4.に定められています。)

OIEでのゾーニングやコンパートメントの考え方については、このサイト「CONCEPTS OF ZONING, CONTAINMENT
ZONES AND COMPARTMENTALISATION」が参考になります。

以上のように、、口蹄疫ウイルスのコントロール手段としての殺処分とは一口にいっても、大きく①単なる殺処分(Stamping Policy)②緊急リング・ワクチネーション(Ring Vaccination)手段を伴った殺処分(the stamping-out supported with emergency ring vaccination)に分けられるというわけです。

口蹄疫ウイルスのコントロール手段の種類を列挙すると、次のようになります。
①Stamping Out
②Circle Culling
③Vaccination
④Ring Vaccination
⑤Ring Vaccination followed by Slaughter
⑥Fencing
参考「Foot and Mouth Disease Virus」

有力なウイルス撲滅戦略としてのリング・ワクチネーション

また、ウイルス撲滅戦略(Eradication strategies)としては、次のものがあります。
① stamping-out of infected farms and direct potential contagious contacts(感染農場接触家畜殺処分)
②stamping-out of infected farms plus ring (circle) culling(①+リング状殺処分)
③stamping-out of infected farms plus ring or area vaccination followed by slaughter of all vaccinated animals (”suppressive” vaccination)(②+すべてのワクチン接種家畜殺処分後の地域又はリング・ワクチネーション)
④stamping-out of infected farms plus ring or area vaccination (”protective” vaccination)(感染農場殺処分+リング・ワクチネーション)
⑤ring vaccination only without stamping-out of infected farms and slaughter of vaccinated animals(患畜殺処分なし、ワクチン接種家畜殺処分なしでの地域又はリング・ワクチネーション)
⑥strategic or general vaccination(戦略的ワクチネーション)

なお、「半径1キロメートルの殺処分と半径5キロメートルのワクチネーションとは、同等の効果がある。」との Jantien Backerさんの意見もあります。

参考「Options for control of foot-and-mouth disease: knowledge, capability and policy」

また、オーストラリアの口蹄疫緊急プラン「AUSVETPLAN」には、非常に参考になるものがあります。
参考「AUSVETPLAN」
「AUSVETPLAN Disease Strategy Foot-and-mouth disease」

ワクチン抗体と感染抗体とを区別するためのDIVAシステムなどについて

ただ、リング・ワクチネーションの問題は、ワクチネーション後、ワクチン抗体と感染抗体とが区別できなくなるということです。

ワクチン抗体は、ワクチン接種後、三年は、生体内に残存するといわれています。

このためには、ワクチン抗体と感染抗体が区別できるDIVA (Differentiating Infected from Vaccinated Animals) システムまたはマーカー・ワクチン(Marker Vaccines)が必要になります。

マーカー・ワクチンとは、精製時に非構造タンパク質(NS蛋白質)を取り除き野外感染の抗体と識別できるようにしたワクチンをいいます。

今、新しいマーカーワクチンとしてVP1 G-H loop マーカーワクチンが注目されているようです。

DIVAシステムは、鳥インフルエンザについては、イタリアのDIVAシステムが有名ですが、口蹄疫についても、次のようなシステムがあるようです。
参照「FMD Vaccine Differentiation Group」
「DIFFERENTIATION OF INFECTION FROM VACCINATION BY DETECTION 」

参考「THE NATIONAL FOOT & MOUTH GROUP & VETS FOR VACCINATION」
「Culling versus vaccination: challenging a dogma in veterinary (FMD)」
「Foot and Mouth Disease International Symposium and Workshop」(2010年4月にメルボルンで開かれた口蹄疫にかんするシンポジウム)
「The UK Policy of Stamping Out」
「Supplementary Material for Modelling vaccination strategies against Foot-and-Mouth disease 」

また、Intervet 社のCheckit FMD 3ABCという抗体検査システムが、その迅速さなどで注目されているようです。

ELA(欧州家畜協会.The European Livestock Association )が日本の「ワクチン接種後殺処分」の方針に対して、「ワクチン接種後殺処分せず」の方向とすべしとの声明を出している理由としてこのCheckit FMD 3ABCという抗体検査システムの存在をあげているようです。
(”tracing the disease as fast as possible by using newer diagnostic tests with which one can quickly confirm infection, even in the prodromal/preclinical phase, giving almost immediate assurance”)

ただし、OIEでは、今のところ、この「Checkit FMD 3ABC」についての評価は表明していないようです。

FMDVの潜伏期間

口蹄疫ウイルスの潜伏期間は、一般的には、2日から14日といわれていますが、多くの場合は、3日から5日といわれています。

羊においては、3日から8日といわれています。

豚においては、豚⇔豚感染においては、2日か3日とは言われていますが、ケースによっては、18時間から24時間とも言われています。

一般的に豚の場合は、接餌後1日から3日、曝露後3日から5日 などと言われています。

牛の場合は、2日から14日といわれていますが、それは、ウイルスの曝露の程度や感染経路によるものとされています。

牛⇔牛感染においては、3日から4日といわれています。

家畜がFMDVのキャリア(carriers-運び屋)としての役割を果たす期間

いったん口蹄疫ウイルスに感染した血液は、一貫して、ウイルスの運び屋(キャリア-carriers-)となります。

ワクチン接種によっては、キャリアとなることを阻止できません。

現在の診断方法では、その動物がキャリアなのかどうか、診断する手立ても、キャリアであることを直す手立ても、ありません。

ワクチン(不活化ワクチン)によって抗体ができた家畜も、あるいは野生株からの自然感染によって抗体ができた家畜も、後にウイルスに曝露され、キャリアとなります。

これらの動物は、口蹄疫ウイルスに感染しても、無症候( asymptomatic)です。

これらのキャリアは、他の動物と接触することによって、口蹄疫ウイルス(FMDV)を感染させえます。

口蹄疫ウイルスが、動物にのこる期間(その動物がキャリア-FMDVの運び屋-としての役割を果たす期間)は、宿主によって異なります。参考「Foot and Mouth Disease」

羊の場合は、最長9ヶ月、ヤギの場合は、最長4ヶ月です。

畜牛の場合は、通常6ヶ月内外ですが、ケースによっては、最長3.5年というものもあります。

アフリカ水牛の場合は、キャリアとしては、最長5年ですが、アフリカ水牛の群れとしては、持続的感染が、25年も続くともいわれてています。

ラマは、キャリアにならないといわれています。

豚については、通常は3-4週間内にウイルスがなくなるとされていますが、ただ、唯一の研究(Mezencio JM”Evidence for the persistence of foot-and-mouth disease virus in pigs“)では、豚もキャリアになるとされています。

心配なのは、野生生物に感染した場合ですが、意外に感染するケースは少ないというのが一般的な見解です。

たとえば、2001年のイギリスでの口蹄疫発生の時の野生生物への影響ですが、野生鹿(Wild Deer)について、D. Paton博士の報告があり、ここでは、FMD感染の症候は見られたが捕獲鹿の107検体、474血清検体すべて陰性だったとの報告があるようです。
参考「Absence of Antibodies to Foot-and-Mouth Disease Virus in Free-ranging Roe Deer from Selected Areas of Germany (2001–2002) 」

ワクチン接種後に殺処分している訳

では、なぜ、ワクチン接種を受けた家畜も、殺処分されなければならないのでしょう?

それは、血液検査によって抗体が発見されたとしても、その抗体が、ワクチン接種を受けたできた抗体なのか、それとも、、野生株からの自然感染によって生じた抗体なのかについては、血液検査ではわからないからなのです。

したがって、たとえ、ワクチンによって生じた抗体であっても、最悪のケースである野生株の存在によってできた抗体とみなさざるを得ないという、消去法のもとに、殺処分がおこなわれるということなのです。

ただ、上記に書きましたように、OIEにおいては、OIEコードの改正を行い、緊急ワクチンの接種の場合においては、ワクチン接種後、殺処分をしなくても、一定の条件で、清浄化復帰を認める措置を認めています。

この措置は、EUにおいても、認められています。(2003年9月29日に出されているEU指令2003-85-ECによる)

緊急ワクチンの効果については、Sarah Coxの実験「Emergency FMD Vaccine: Effect of antigen payload on protection, sub-clinical infection and persistence following direct contact challenge of cattle」があります。

又、今回の発生地宮崎は、全国有数の種牛の産地でもあるため、口蹄疫に感染した種牛と、その精液との関係が注目されていますが、1990年のMann, J.A とSellers, R.Fの研究によれば、牛の精液はFMDVを拡げるが羊やヤギの精液はFMDVを広げないとの説があります。
参照「AN ANALYSIS OF THE DISEASE RISKS, OTHER THAN SCRAPIE, ASSOCIATED WITH THE IMPORTATION OF OVINE AND CAPRINE SEMEN AND EMBRYOS FROM CANADA, THE UNITED STATES OF AMERICA AND MEMBER STATES OF THE EUROPEAN UNION」の16ページ

また、牛の胎児や受精卵や胚などについても、同様の見解があるようです。

ワクチン接種と貿易との関係については、こちらのサイト「Impact of Animal Disease Outbreaks and Alternative Control Practices on Agricultural Markets and Trade」ご参照

殺処分後の処理方法

NAHEMSのガイドラインでは次の方法があるとしています。

①埋却(Burial)
②焼却(Incineration)
③ レンダリング
④コンポスト
⑤アルカリ加水分解 

このうち、埋却が一番たやすく早く省資源型で環境負荷が少ない、としています。
参考「Georgia Foot and Mouth Disease Emergency Response Plan」

清浄国復帰のための条件

清浄国に復帰するまでの期間は要約すれば下記のとおりとなります。

1.ルーチンにワクチン接種国

①緊急ワクチン接種6ヶ月

②緊急ワクチン非接種24ヶ月 

2.ルーチンにワクチン非接種国

①緊急ワクチン非接種3ヶ月

②緊急ワクチン接種(接種家畜殺処分)3ヶ月

③緊急ワクチン接種(接種家畜非殺処分)6ヶ月

参考文献はこちら
なお、旧OIEコードで書いていますので、新旧コード対象はこちらのサイトご参照 Article 2.2.10がFMD

口蹄疫発生後、再び清浄国としてOIE(OIE「国際家畜衛生規約」)からみとめられるためは、次の要件によります。

(1)撲滅措置としてワクチン接種を実施しない場合

スタンピング・アウト(発生農場の家畜全頭の殺処分。以下同じ)および血清学的サーベイランスが実施された場合には、最終発生から3カ月が経過すること

(2)撲滅措置としてワクチン接種を実施した場合

スタンピング・アウトおよび血清学的サーベイランスが実施された場合には、すべてのワクチン接種動物を殺処分してから3カ月が経過すること、またはワクチン接種中止および最終発生から12カ月が経過すること
参考「口蹄疫清浄国への復帰について 」

OIE規定による清浄化復帰のためのサーベイランスは、殺処分の場合と、ワクチン接種の場合とでは異なります。

すなわち、OIEの付属書3.8.7.規定では、口蹄疫発生後実施する血清サーベイランスについて、ワクチン接種しないで生きている個体群とワクチン接種後生きている個体群とでは、その検査方法が、異なります。

前者については、第一段階検査で「SP-ELISA」グループと「NSP.ELISA.3ABC」グループとにわけ、第二段階で「NSP.EITB.VNT」検査とします。

後者は第一段階「NSP.ELISA.3ABC」検査、第二段階「再度 NSPとEITB」検査となっています。
(SP=Structural protein test NSP=Nonstructural protein(s) of foot and mouth disease virus (FMDV) 3ABC=NSP antibody test EITB=Electro-immuno transfer blotting technique (Western blot for NSP antibodies of FMDV) VNT=Virus neutralisation test) 
参照「GUIDELINES FOR THE SURVEILLANCE OF FOOT AND MOUTH DISEASE」

また、ワクチンと実際に蔓延しているFMDV(口蹄疫ウイルス)とのマッチング・テストが十分に行われたかが、ワクチンの効力に重要な影響を及ぼします。

なぜなら、当初のマッチング・テストは、動物への抗原投与(Challenge Animal)によらず、多くの場合、実験室でのテスト(in vitro system of vaccine efficiency)によっているため、実際投与した後も、その実効性をフォローする必要があるからです。

また、これはあってならないことですが、ワクチンの保存温度状態が悪く、効力が低下している場合も、よくあるようです。
参考「1. CRP on the control of foot-and-mouth disease」
「Selection of foot and mouth disease vaccine strains – a review」

なお、ワクチンについてですが、セロ・タイプでも、さらに、サブタイプでも、効き目は微妙に異なるようです。

日本で使われる口蹄疫紆余ワクチンは、Merial社のAFTOPOR(こちらやこちらもご参照、他の国で使用されているワクチンは、こちらご参照)といわれています。

今後の新しい口蹄疫ワクチンとして、DNAワクチンの開発が注目を集めています。
参考「Foot-and-mouth disease Vaccine Group – 」

このサイトにこれまで極東各国でA型に使われたワクチン一覧があります。

イギリスの2001年の口蹄疫発生の際にも、ブレア政権のワクチネーションをするかしないかの決断までには、相当の紆余曲折があったことは、このサイト「History of Foot and Mouth epidemic in U.K. 2001」や「 Warmwell.com 」でも垣間見ることかできます。
(イギリスでの200年の口蹄疫発生におけるワクチネーションは、次の異なる方法でミックスされて行わうことで、2001年2月23日からスタートしましたが、National Farmers Unionなど関係団体やEU諸国の反対で実現されませんでした。)

①Standard + 90% vaccination ②Standard +vaccination from May ③IP(感染した建物・施設) only +vaccination ④Standard +barrier vaccination
それらの功罪については、「Dynamics of the 2001 UK Foot and Mouth Epidemic: Stochastic Dispersal in a Heterogeneous Landscape」の3ページご参照)
参考「Culling versus vaccination: challenging a dogma in veterinary (FMD)」
「Foot-and-mouth crisis timetable」
「Supplementary Material for Dynamics of the 2001 UK Foot and Mouth Epidemic – dispersal in a heterogeneous landscape.」

口蹄疫感染動物の肉は、それ自体、更なる感染源となる

最後によく受けるごく素朴な質問にお答えすることにしましょう。

「口蹄疫、肉に毒性がないのに、なぜ廃棄するのか?」という質問です。

口蹄疫ウイルスに感染した牛なり豚の肉は、それ自体、口蹄疫ウイルスの隠れ場(harbor)となっています。

肉が人間の口の中に食された場合には、人間の胃の中の強いphによってウイルスは死滅してしまいますが、肉がレストランでの食材として使われた場合はどうでしょう。

未調理の、又は、生で未加工の肉(raw meat scraps)として、そのまま、残渣(cooked garbage)となり、これが、豚のえさとして流通し、それを食した豚が口蹄疫に感染する恐れがあります。

冷凍肉における口蹄疫ウイルスの生存期間が意外に長いのが気になるところです。

食品における口蹄疫ウイルスの生存期間については、このサイトご参照

イギリスの口蹄疫に関する調査の中で、Wooldridge報告というものがあります。

これによりますと、国際的に口蹄疫汚染肉の密輸問題があり、たとえば、毎年七千トンの中東からの不法肉がイギリスに持ち込まれ、そのうちの95キロが口蹄疫感染肉との数字があります。

そして、それらが、レストランの残渣を通じて、豚に感染したのではないかとの調査があります。
参考「Quantitative risk assessment case study: smuggled meats as disease vectors.」

又、ニュージーランドでの調査においても、食肉を通じての感染経路原因としては、①が、やはり、レストランの残渣から豚への感染、②が、と畜場での感染、ということのようです。
参考「Foot-and-mouth disease: an assessment of the risks facing New Zealand」 

その他、口蹄疫ウイルスの生存期間などについては、このサイト「口蹄疫ウイルスと口蹄疫の病性について」も参考になります。

また、よくある質問ですが、「ワクチン接種後の牛・豚を食用に流通させてもいいではないか」という素朴な質問をいただきます。

いくつかの調査によっても、ワクチン摂取後の肉や牛乳を人が食しても安全であるとの調査結果が出ています。参考「Vaccination against foot-and-mouth disease: the implications for Canada」(ただし、ワクチンに含まれるアジュバント(Adjuvant)の功罪については、一定の健康上の影響があるとの説もあります。 )

また感染牛の牛乳などに含まれるウイルスの死滅度ですが、諸説あるので一例ですが、牛乳では132度1秒で死滅、72度では15秒で死滅、粉ミルクの場合は乾燥後の二次加熱が必須、130度1-2秒、ph6以下で3ヶ月保管でフリー、プロセスチーズの場合は72度15秒加熱後ph6以下で30日保管といったところです。 

しかし、問題は清浄国判定にあります。

ワクチン接種後の生体牛がと畜場にまわってき、生体牛の血液検査によって、FMDV抗体が発見されたとします。

しかし、血液検査では、その抗体がワクチン接種によって生じたものか、それとも、野生株からの感染によって生じたのかは、判定することができません。

判定できない以上、その抗体は、最悪の場合を想定しての、野生株の存在とそこからの感染によって生じたものとしか、みなされません。

そのことをもって、清浄国とは判定されないことになります。

と畜前、と畜後のシナリオについては、豚の例ですが、このサイト「Risk assessment on Foot-and-Mouth Disease (FMD) in pork from vaccinated animals」の2ページ「Scenario tree」をご参照ください。

なお、輸入国の農産物の検疫措置が過剰かどうかの判断はOIE基準と国内安全基準との乖離の幅がSPS協定の「適切な保護水準」(ALOP)にあるかどうかにかかっています。

乖離の幅がALOPより広がるのかどうかは、OIE基準と国内安全基準両者の相対的な関係によります。

二国間畜産衛生条件で合意できるのかどうかが、その際の前提となります。

過剰な風評対策が初動を遅らせた今回の宮崎のケース

最後に、今回の宮崎・口蹄疫、風評対策を重視したあまり初動が遅れたということはありませんでしょうか?

このあたりで、国なり行政なりマスコミは、風評対策なるものの功罪を検証したほうがいいものとおもわれます。

TVなどで流される口蹄疫に関する以下のメッセージ「人には感染しない。感染牛は市場に出ない。万一食べても人体に影響ない。 」ですが、もう一つの大事なポイントである「感染牛の肉はそれ自体口蹄鉄ウイルスの感染源になる」というのが抜けています。

つまり、「万が一食べても人体には影響ありません」キャンペーンが、あたかもウイルス拡大の連鎖が人間の食の段階でストップするから安心、との錯覚を与えていることが問題なのです。

レストランからの生肉や冷凍肉の残渣がリーケージを生み出し、新たなウイルス拡大の連鎖となりうることを、このキャンペーンでは、故意にか見過ごしているといえます。

風評被害にポイントを置きすぎて肝心のポイントが抜けているお粗末さを示しているといってよいでしょう。

牛肉消費減を呼びかねない風評対策のために、「口蹄疫感染肉は食べても人間には感染しません」と「口蹄疫感染肉は決して市場には出回りません」の相矛盾するメッセージを共に風評対策として大衆に伝えることの矛盾とおろかさに、そろそろ、気づくべき時です。

以上

赤外線サーモグラフィでみた口蹄疫感染牛

「Infrared Technology and Foot and Mouth Detection」

null

参考1.文献

WRLFMD Quarterly Report October-December 2009

Foot and Mouth Disease in Cattle in South Korea

FOOT-AND-MOUTH DISEASE

「foot-and-mouth disease」

動物衛生研究所の口蹄疫サイト

「偶蹄類の動物の家畜衛生条件」

参考2.-近年の世界での口蹄疫発生状況一覧

2010年
韓国 牛 – : (KG), OIE 20100108.0089

2009年
ヴェトナム 牛 – (06): vaccination, RFI 20091203.4120
ヴェトナム 牛 – V (05): (PY), (YB) 20091202.4112
トルコ、シリア : susp. RFI 20091129.4081
中国 牛- (06): (XJ), OIE 20091128.4080
インド 牛 – : (KL), susp., RFI 20091120.4002
コンゴ 牛 – (DR): (IT) susp. RFI 20090920.3293
南アフリカ : suspected, RFI 20090915.3241
台湾 豚- (08): (TY) 20090905.3123
ヴェトナム 牛- (02): (QG) RFI 20090826.3005
バングラディッシュ 牛-: susp., RFI 20090823.2974
中東  (06): WRLFMD update, vac. 20090808.2806
ルワンダ 牛-: (ES) susp, RFI 20090807.2795
エクアドル 牛 – (02): conf 20090804.2755
インド 在来反すう類 -: (SK), RFI 20090804.2751
イスラエル:A型 , resolved, OIE 20090803.2732
中東  (05): FAO/OIE surveill., control20090731.2686
イスラエル、パレスチナ自治区: A型 20090714.2510
ネパール  20090625.2318
台湾 豚 – (04): (TY) sentinels 20090624.2301
中国 牛- (05): (SD) A型 20090609.2129
アンゴラ 牛 -: (CC) OIE 20090605.2082
エクアドル 牛 – : susp. 20090601.2036
中東 (04): FAO 20090509.1735
レバノン : A型20090422.1519
中東 (03): serotypes, update 20090410.1377
バーレーン : A型 20090409.1366
台湾、レバノン  20090404.1295
中国 牛- (04): (SC) アジア1型20090403.1283
中東  (02): A型serotypes A, O, update 20090331.1242
台湾 豚- (03): conf.OIE 20090331.1239
中東 : A型O型, update 20090317.1082
マレー半島  (02):clarificn. 20090305.0903
ラオス 牛- : (BL) RFI 20090304.0877
エジプト 牛、バッファロ- : A型 20090303.0865
マレー半島 20090303.0864
パレスチナ自治区: (JN), RFI 20090227.0816
中国 牛- (03): (HB, SH) A型 20090223.0757
レバノン : OIE, untyped 20090222.0734
台湾 豚- : O型 20090219.0689
イスラエル  (02): OIE, O型, spread 20090218.0680
イラク Iraq: (BA) 20090208.0577
サウジアラビア  (02): vaccination 20090201.0447
サウジアラビア: east, RFI 20090128.0387
ウガンダ 牛- (03): (N., E, & Central) 20090127.0364
中国 牛 – : (HB, A), アジア1型20090124.0318
ヴェトナム 牛- : (LA, KT) A型 20090122.0273]

参考3.2010年1月以降のアジアでの口蹄疫発生状況

1月07日 韓国(Pocheon-抱川-血清型A型)

1月11日 韓国(血清型A型) ネパール

1月14日 韓国(Pocheon-抱川-血清型A型)

1月15日 中国(血清型A型)

1月16日 韓国(血清型A型)

1月19日 韓国

1月23日 中国(血清型A型)

1月28日 オランダ トルコ(血清型O型)

1月31日 韓国

2月02日 モンゴル・ロシア国境(血清型O型)

2月13日 台湾

2月17日 台湾(血清型O型)

3月01日 ヴェトナム(血清型アジア1型)

3月02日 中国(血清型O型)

3月05日 キリギスタン

3月18日 中国 (血清型O型)

3月23日 韓国(血清型A型)解決宣言

3月29日 シンガポール・ヴェトナム・中国

4月08日 韓国

4月09日 中国 (血清型O型)

4月10日 韓国 (血清型O型)

4月12日 中国 (血清型O型)

4月13日 中国 (血清型O型)

4月14日 台湾 韓国 (血清型O型)

4月16日 中国 中国

4月20日 日本 (血清型O型)

4月24日 日本 (血清型O型)
 韓国(血清型O型)

4月28日 日本(血清型O型)

4月29日 韓国(血清型O型) 日本(血清型O型)

4月30日 中国(血清型O型)

5月01日 韓国(血清型O型)

5月03日 韓国 (血清型O型)

5月04日 中国(血清型O型)

5月06日 モンゴル (血清型O型)
  
5月07日 中国(GUANGXI) 日本 (血清型O型)

5月08日 中国(Zhongpin Inc)  韓国 (Cheongyang.血清型O型)

「中国、香港、韓国、台湾における口蹄疫の発生状況地図(2009年1月~)」もご参照

参考4.これまでの感染経緯

○4月20日
1例目宮崎県都農町(牛16頭)
○4月21日
2例目川南町(酪農・肉用牛複合65頭)
3例目川南町(肉用牛118頭)
○4月22日
4例目川南町(肉用牛65頭)
○4月23日
5例目川南町(肉用牛75頭)
6例目都農町字水洗(水牛42頭、豚2頭)
○4月25日
7例目川南町(肉用牛725頭)*
○4月28日
8例目川南町(肉用牛1,019頭)*
9例目えびの市大字島内(肉用牛275頭)*
10例目川南町宮崎県畜産試験場川南支場(豚486頭)
○4月29日
11例目川南町(乳用牛50頭)
○4月30日
12例目川南町(豚1,429頭)
○5月1日
13例目川南町大字豊原(豚3,882頭)
○5月2日
14例目川南町大字平田(豚299頭)
15例目川南町大字川南(肉用牛424頭)
○5月3日
16例目川南町大字川南(肉用牛4頭)
17例目川南町大字平田(肉用牛37頭)
○5月4日
18例目川南町大字川南(豚15,747頭)
19例目川南町大字川南(豚3,010頭)

19例の内訳 豚6例、牛12例、水牛1例

○5月5日
20例目川南町大字川南(母豚106頭、種豚33頭、肥育豚8頭、育成豚57頭、子豚576頭)
21例目川南町大字平田(母豚52頭、種豚3頭、肥育豚484頭、育成豚4頭、子豚136頭)
22例目えびの市大字島内(母豚45頭、種豚5頭、肥育豚2頭、育成豚2頭、子豚266頭)
23例目川南町大字川南(母豚333頭、種豚22頭、育成豚2頭、肥育豚2,146頭、子豚1,195頭、哺乳豚736頭)

○5月7日
24例川南町大字川南(母豚 76頭 種豚 4頭 育成豚 7頭 肥育豚 250頭 子豚 350頭)
25例川南町大字川南(母豚 300頭 種豚 6頭 育成豚 43頭 肥育豚 3,420 子豚 452頭)
26例川南町大字川南(母豚 305頭 育成豚 61頭 子豚 400頭)
27例川南町大字平田(繁殖牛 16頭 子牛 13頭)
28例川南町大字平田(繁殖牛 18頭 育成牛 2頭 子牛 10頭)
29例川南町大字川南(母豚 250頭 種豚 18頭育成豚 20頭 肥育豚 2,800頭 子豚 400頭)
30例川南町大字川南(繁殖牛 24頭 育成牛 8頭 子牛 18頭)
31例川南町大字川南(母豚 60頭 種豚 5頭 子豚 342頭)
32例川南町大字川南(母豚 93頭 種豚 2頭 育成豚 6頭 肥育豚 460頭 子豚 450頭)
33例川南町大字川南(母豚 14頭 種豚 16頭 育成豚 24頭 肥育豚 4頭 子豚 83頭)
34例川南町大字川南(搾乳牛 33頭 育成牛 6頭 子 牛 11頭 肥育素牛 25頭)
35例川南町大字川南(肥育豚 2頭)
36例川南町大字川南清水(繁殖牛25頭 育成牛2頭 子牛19頭)
37例川南町大字川南(母豚1,043頭 種豚3頭 肥育豚3,024頭 子豚962頭)
38例川南町大字川南(母豚541頭 種豚13頭 肥育豚2,857頭 子豚2,995頭)
39例川南町大字川南(子豚1,906頭)
40例川南町大字川南(繁殖牛11頭 子牛7頭)
41例川南町大字平田(繁殖牛35頭 育成牛5頭 子牛27頭)
42例川南町大字川南(肥育豚640頭)
43例川南町大字川南(乳牛 搾乳牛53頭 育成牛25頭  黒毛和種 育成牛9頭 子牛10頭)

○5月8日
44例川南町大字川南(母豚 76頭 種豚 3頭 育成豚 8頭 頭肥育豚 519頭 子豚 57頭)
45例川南町大字川南(乳牛 搾乳牛 27頭 育成牛 3頭 子牛 8頭 黒毛和種 繁殖牛 12頭 子牛 13頭 交雑種 3頭)
46例川南町大字川南(搾乳牛 8頭 子牛 1頭)
47例川南町大字川南(肥育牛 691頭)
48例都農町大字川北(繁殖牛 30頭 肥育牛 162頭 子牛 15頭)
49例川南町大字平田(肥育牛 186頭)

○5月9日
50例川南町大字川南(母豚137頭 肥育豚205頭 子豚71頭)
51例川南町大字川南(母豚55頭 種豚2頭 肥育豚455頭 子豚101頭)
52例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛11頭  子牛6頭)
53例川南町大字川南(交雑種 肥育牛97頭)
54例川南町大字川南(乳用牛 搾乳牛81頭 育成牛23頭 肥育牛3頭 子牛13頭 黒毛和種 子牛6頭)
55例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛8頭 育成牛1頭 子牛6頭 )
56例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛2頭 子牛2頭)

○5月10日
57例川南町大字川南(母豚 65頭 種豚 5頭 育成豚  4頭 肥育豚 632頭 子豚 85頭)
58例川南町大字川南(肥育牛 100頭 黒毛和種 44頭 交雑種 50頭 乳用種 6頭)
59例川南町大字平田(黒毛和種 繁殖牛 9頭 子牛 7頭)
60例川南町大字川南(母豚 561頭 種豚 21頭 育成豚 51頭 肥育豚 6,353頭 子豚 917頭 )
61例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 5頭 子牛 4頭)
62例川南町大字平田(黒毛和種 繁殖牛 8頭 子牛 7頭)
63例川南町大字川南(黒毛和種 肥育牛 100頭)
64例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 26頭 肥育牛 5頭 子牛 19頭)
65例川南町大字川南(乳用牛 搾乳牛 33頭 育成牛 8頭 子牛 8頭)
66例川南町大字川南(黒毛和種 肥育牛 645頭)
67例川南町大字川南(母豚 190頭 種豚 20頭 肥育豚 2,250頭 子豚 360頭)

○5月11日
68例えびの市大字島内(黒毛和種 肥育牛 18頭)
69例川南町大字川南(肉用牛肥育 20頭(繁殖牛10頭、育成牛1頭、子牛9頭))
70例川南町大字川南(養豚153頭(繁殖豚5頭、肥育豚123頭、子豚25頭))
71例川南町大字川南(酪農114頭(搾乳牛73頭、子牛41頭))

○5月12日
72例都農町大字川北(黒毛和種 繁殖牛 12頭)
73例川南町大字川南(黒毛和種 肥育牛 41頭 交雑種 肥育牛 247頭)
74例川南町大字川南(母豚 93頭 種豚 8頭 育成豚 17頭 肥育豚 701頭 子豚 279頭)
75例川南町大字川南(肥育豚 156頭)
76例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 32頭 肥育牛 1頭 子牛 17頭)

○5月13日
77例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 25頭 子牛 24頭)
78例川南町大字川南(乳用牛 搾乳牛 52頭 育成牛 10頭 子牛 15頭 肥育牛 10頭 黒毛和種 繁殖牛 5頭 子牛 4頭 交雑種 肥育牛 11頭)
79例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 5頭 子牛 4頭)
80例川南町大字川南(肥育豚 180頭)
81例川南町大字川南(母豚 22頭 種豚 3頭 子豚 180頭)
82例川南町大字川南(母豚 59頭 種豚 6頭 育成豚 4頭 肥育豚 283頭 子豚 388頭)
83例えびの市大字島内(黒毛和種 母牛 24頭 育成牛 3頭 子牛 19頭)
84例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 19頭 子牛 17頭)
85例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 44頭 育成牛 4頭 子牛 28頭)
86例川南町大字川南(黒毛和種 繁殖牛 5頭 育成牛 1頭 子牛 3頭)

以下あまりに発生数が多くなりすぎ、記載を省略します。以降は、以下のサイトをご参照ください。

参考-「宮崎県口蹄疫に関する情報提供> これまでのプレスリリース」
「口蹄疫発生マップ」
「宮崎県-これまでの対応状況について」
「宮崎県における口蹄疫の発生事例の防疫措置の状況」

追記-ワクチン接種された家畜が殺処分されることの根拠法

家畜伝染予防法では第16条(と殺の義務)で患畜、疑似患畜について『と殺指示書』、ワクチン接種は第31条の規定(都道府県知事)で家畜防疫員に行わせる。ワクチンは法第49条の規定で農水省が譲与貸与。

口蹄疫対策緊急措置法第二章 口蹄疫のまん延を防止するための措置、第六条(患畜等以外の家畜の殺処分等)都道府県知事が(患畜及び疑似患畜を除く。)を所有する者に、期限を定めて当該家畜を殺すべきことを勧告。

ワクチン接種された家畜は、家畜伝染予防法の段階では、患畜及び疑似患畜を除くグレーゾーンの動物、口蹄疫対策緊急措置法第八条で殺すべきことを勧告される。

ワクチン接種は法第31条の規定で都道府県知事が行わせることができるが、処分は、第16条(と殺の義務)ではなくて、都道府県知事が口蹄疫対策緊急措置法第八条で、殺処分

家畜伝染予防法31条の段階では、都道府県知事が指示するワクチン接種については、接種後、生かすワクチン接種と接種後殺処分するワクチン接種が混在している

(患畜と擬似患畜を除く家畜が)口蹄疫対策緊急措置法第八条で殺すべきことを勧告」したものについて、緊急の必要があるときは、都道府県知事は、家畜防疫員に当該家畜を殺させることができる。

参考 日本政府が2009年3月にOIEに提出した口蹄疫に関する意見部分抜粋

3. Foot and Mouth Disease (Annex XXXV)
Specific Comments on Article 8.5.5 bis
Japan suggests that the Commission not apply the concept of disease free compartment to FMD in the Code.
(Rationale)
FMDV is highly contagious and can spread by air-borne infection, and there is no appropriate scientific evidence which ensures that the proposed requirements for a FMD free compartment are sufficient.
Even if there are to be a FMD free compartment, there is currently no practicable or economically feasible biosecurity measures available. The Commission should keep the article under study until it obtains sufficient scientific knowledge on biosecurity measures for FMD free compartments and is ready to develop a common guideline acceptable for both importing and exporting countries.
It should be noted that the Code Commission itself mentioned that the OIE should not proceed to grant official recognition of FMD free compartment until the practical implementation of the concept for compartment of avian influenza and Newcastle disease would be studied in detail.

2010年4月5日

シェルターのいろいろ-ホームレス用から災害時用まで-

Category: 未分類 – Tatsuo Sasayama 2:05 PM

1.ホーム・ドーム

2. U-M緊急時シェルター

3.メタ・プレート

4.ボックス

5.オール・イン・ワンのタイプのモバイル・ホーム

6.ルーム・ルーム

7.サンクチュアリー

8.ライフ・リンク

9.Sphere

10.ESiS

11.La Virtuale Yourte

12.Street URCHIN

13.SHRIMP

14.Temporary Habitat

15.Flat-Pac Emergency Shelter

16.Home Carry Home

17.ZO_loft Wheelly

18.Uber

19.Emergency Response Studio

20.Cocoon

21.Origami Homeless Shelter

22. Kahuta Transitional Housing

23.Reaction Housing

24.Lightweight Emergency Shelter

25.Butterfly Structure

以上