笹山登生のウォッチ&アナライズ –


2009年4月28日

子の心、親知らずの前原さんの『羽田新幹線案』

Category: 未分類 – Tatsuo Sasayama 5:54 PM

まあ、建前としては、JR東海も『いい案ですね』と一応は言わなければならないんだろうが、どうも、前原さんは、新幹線と飛行機とが、客を激しく取り合っているという現実を無視しての、のんきな案を提示しているとしか思えないのだが。

というのは、なるほど、東京-品川間から、羽田空港付近の大井車両基地(東京都品川区八潮)に分岐する線路を「羽田新幹線」として活用し、羽田から新幹線に客が乗ってもらうのは、空港側にとってみればありがたい話なんでしょうが、では、新幹線側から見た場合、そのメリットはどうなんでしょうね。

西から東京へくる客は、その場合、西からの新幹線と飛行機とのどちらを選ぶんだろうか?

飛行機でしょうね。

また、東京から西へ向かう客は、その場合、新幹線と飛行機とのどちらを選ぶんだろうか?

やはり飛行機でしょうね。

つまり、この案は、JR東海にとっては、本来ドル箱的な東京-新大阪間の新幹線が、キセル的なポジションに堕してしまうということなのだろう。

それと、これは、羽田ハブ空港構想のときにも、私のブログに書いたことだが、羽田ハブ空港化にともなうサード・パーティー・リスク(二次的サード・パーティー・リスク)の増大が、さらに、新幹線の接点ができることによって、増大してしまうということも、考えといたほうがいい。

なんか、大臣が頭で思いつきで考えたらしい構想が、慎重な検討過程も経ないで次々と出てしまうことには、困ったものだ。