まあ、建前としては、JR東海も『いい案ですね』と一応は言わなければならないんだろうが、どうも、前原さんは、新幹線と飛行機とが、客を激しく取り合っているという現実を無視しての、のんきな案を提示しているとしか思えないのだが。
というのは、なるほど、東京-品川間から、羽田空港付近の大井車両基地(東京都品川区八潮)に分岐する線路を「羽田新幹線」として活用し、羽田から新幹線に客が乗ってもらうのは、空港側にとってみればありがたい話なんでしょうが、では、新幹線側から見た場合、そのメリットはどうなんでしょうね。
西から東京へくる客は、その場合、西からの新幹線と飛行機とのどちらを選ぶんだろうか?
飛行機でしょうね。
また、東京から西へ向かう客は、その場合、新幹線と飛行機とのどちらを選ぶんだろうか?
やはり飛行機でしょうね。
つまり、この案は、JR東海にとっては、本来ドル箱的な東京-新大阪間の新幹線が、キセル的なポジションに堕してしまうということなのだろう。
それと、これは、羽田ハブ空港構想のときにも、私のブログに書いたことだが、羽田ハブ空港化にともなうサード・パーティー・リスク(二次的サード・パーティー・リスク)の増大が、さらに、新幹線の接点ができることによって、増大してしまうということも、考えといたほうがいい。
なんか、大臣が頭で思いつきで考えたらしい構想が、慎重な検討過程も経ないで次々と出てしまうことには、困ったものだ。